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確かに右肩上がりは、世界的に見ても終焉を迎えています。
後進国の場合は、今後もある程度成長すると思いますが、右肩上がりで健全に成長するとは思えません。
それは、一気に成長してしまうという不合理性を持っているからです。
成長に決められた順番や順路があるわけではありませんが、飢餓の社会の中に高額なスマホと情報が入ってくる不合理です。
その意味を考慮すれば、一定の右肩はあると思いますが、破たんも早いと言うことです
さて、日本は、超高齢化社会、少子化、そして島国根性的なところがあります。
そのような社会で人口減少が確実になっています。
人口減少は、国内における消費が減少することを示しています。
国内での消費のための生産は、併せて減少させる必要があります。
大量に生産しても、価格競争に負けて輸出できないからです。
もちろん、日本的ブランド価値があれば、海外の富裕層には売れます。
とは言っても、人件費は圧縮する必要があります。
日本の労働者の人件費を圧縮すれば、消費も落ち込みます。
実際、日本の労働者は、欧米諸国の賃金の3分の2程度に甘んじており、経済成長の要件である消費者物価の適度な上昇さえ期待できません。
ニュースで報じられるような企業に勤めている労働者の人件費は、多少は上がっています。
しかし、消費者物価を押し上げるところまではいっていません。
消費者物価を押し上げるほど労働者の賃金は上昇していないからです。
「デフレは、終わった!」と誰か言いました?
一般の消費者は、バブル崩壊から引き続き、「安ければ安いほどいい!」商品を追い掛けています。
品質は二の次です。
一般の消費者が、その意識から抜け出るのは容易なことではありません。
いまさら貯蓄を辞めて、ちょっと品質がいいもの、ちょっと贅沢なものを買う勇気はありません。
人口減少を考えるどころか、自分自身の将来が不安だからです。
ですから、節約して、ちょっとだけ貯蓄して将来に備えているのです。
すでに、政府が新たな経済活性化政策をやっても右肩上がりは見えてきません。
人口減少、高齢化、そして将来への不安。
悪条件ばかりが揃っています。
だからと言って、完全に右肩上がりが無いわけではありません。
ただ、私たちの身近なところに無いだけです。
ここで言うのも何ですが、富裕層の金融資産だけは、確実に右肩上がりです。
富裕層の右肩上がりを知っていれば、特に「貧困層予備軍」は何らかの行動を開始する必要があります。
何もしなければ、「貧困層予備軍」のほとんどは純然たる貧困層になってしまう可能性があるからです。
このとき、貧困層は、ただ指を咥えて見ているだけですから、社会にも本人にも影響はありません。
冒険をしなければ平穏に生きていくことができます。
ただ、社会に意見を言う立場を放棄したことを認めていることになります。
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